ベビーチェアは本当に、子供の噛み合わせに影響があるのか問題
私のように、総合リサイクルショップをやっていますと、やはり売りやすい物と、売りづらい物が出て来るわけでして。
その中でも、群を抜いて余りやすく、殿堂入りされているのがベビーチェアですね。
そもそもこのベビーチェア、人気は凄く高く、3万円から4千円と価格も沢山あるんですが、ベビー用品を中古で買いたがる、パパママが少ないのが問題なんですよね。
ベビーチェアの利点?
ではこのベビーチェア。
巷で言われてる利点はなんだろうかと言うと、
- 高さ調節がきいて、成長する子供に長く使う事が出来る
- 頑丈
- 親と同じ目線で食事が出来る
- 足が下に付く(ブラブラしない)ことで、子供の噛み合わせが良くなる(咀嚼力、咬合力も上がる)
といったところでしょうか。
問題は最後の、足が下に付く(ブラブラしない)ことで、子供の噛み合わせが良くなる(咀嚼力、咬合力も上がる)
ベビーチェアの有名なブランドで、ストッケなどがありますが、サイトを確認しても、そんな情報の記述はないんです。
そこで、これは科学的に証明されているのだろうかと思ったわけです。
足底接地の有無が咀嚼運動に与える影響の研究
2016年東京歯科大学が、人の足が床についている時と、そうでない時の咀嚼(そしゃく)の変化の研究結果を発表しています。
その研究方法は、
口内に問題の無い被験者を集め、足が床についている時と、足が床についていない時の、咀嚼能力を調べたというシンプルなもの。
結論からいうと、足底接地の有無においての、咀嚼能力の変化には、優位な差は認められない。
予想外に、どちらのパターンでも1分間の間の咀嚼能力は、変わらないという結果でした。
一口食べた時に、1分間以上口の中に入っている方が、珍しいと思うので、妥当な時間ですね。
更にこの研究チームは、食事中の頭部の揺れ、頭部の傾き、下顎の傾き、にも注目をしています。
食事中の頭部の歪みが、咀嚼、咬合力に影響を与えているのではと考えたんですな。
その結果はまたも、優位な差は認められないでした。
いよいよ怪しくなってきました。
本当に、人は食事中足が床についている方が咀嚼能力は上がるのでしょうか?(ブラブラしてるよか行儀は良いでしょうが笑)
ただこの研究で1つ嬉しい結果がありました。
それは、
足が床についている方が、咀嚼と咀嚼の間が少ない。
これは床に足がついている方が、リズミカルに咀嚼することが出来るからではないかと、研究チームは考えています。
じゃあ子供の咀嚼、咬合力は何が関係するの?
幼児の咬合力の実態として、幼稚園の171名の家族に研究協力をしてもらい、
- 乳児期の哺乳様式
- 離乳食開始時期
- 食事時間 の 決 ま り
- 一 緒 に 食 事 す る 家 族
- 食 欲
- 食 べ 方
- 食 事の様子
- 食事摂取所要時間
- 主食の好み
- テレビ を み な が ら の 食 事 の 有 無
- 外 遊 び の 有 無
と、多義にわたる調査をしています。
上記の研究結果から、一部を抜粋しますと、
いつまでも口の中に残っている子供 34,0%
硬いものを口から出してしまう子供 52.8%
一口食べるのに時間がかかる子供 22.6%
ぱっと見、子供は食べるのに時間がかかるし、食べ辛いものを口から出してしまうのは、よくあるだろうと思いますが、
10年前の調査結果では、硬いものを口から出してしまう子供は2%という数字もあり、明らかな咀嚼力と咬合力の弱化がわかります。
そして、食事中の環境ですが、
TVを見ながらの食事は72.8%
という結果が出ており、これは子供が親の携帯やタブレットを離さず、YOUTUBEなどを見ながらの食事も同じと考えられます。
子供は面白い番組に夢中になり、食事に集中出来ず、食事の時間は長くなり、咀嚼量は減り、弱化するのが考えられますね。
ご存知の通り、子供の骨は軟らかく、3〜4歳までは軟骨、6〜7歳以降も成長の為にある程度の軟らかさが続きます。
そこで、普段の積み重ねが歪みを作り出していくと考えられます。
前を向かず、TVの方を向いて咀嚼を繰り返すことで、噛み合わせはそちらに歪み、咀嚼、咬合力も弱まっていくのではないでしょうか。
まとめ
そうそうベビーチェアの話でしたね笑
結局、ベビーチェアを使う事で、噛み合わせが良くなり、咀嚼、咬合力が上がるという確証はありませんが、長く使う事が出来るベビーチェアは、家族の食事の輪を作るのに活躍してくれるのは間違いないと思います。
噛み合わせ、咀嚼力、咬合力を気にするのであれば、食事中の環境や、食事内容に気を配る方が、大きなメリットがあるように思えます。