匂いによる痛覚軽減の実験
以前、
甘さに纏わる研究 - 縁の下のリオ
でも書いたように、甘味はエンドルフィンを発生させ、痛みを軽減します。
そして今回、嗅覚による実験も確認出来たので軽くご紹介。
実験は、オーストラリアのジェームズ・クック大学にて行われました。
先ず被験者の数は94人。
利き手のひじまでを痛いほど冷たい水に、あいだに15分の休憩をはさんで2回、4分づつ浸してもらった。
2回のうち1回目は被験者に、においつきのマスクをつけてもらい、2回目はにおいのついていないマスクをつけてもらった。
マスクは3種類
カラメルの甘い香り
コロンの良い香り
なじみのない香り
結果はというと、やはり甘い香りのグループだけ、他と違って2倍の時間冷水に腕をつけていられたそう。
それも50秒と2分という大きな違いで。
なぜ甘い匂いでも、甘味と同じ様に痛みに強くなったか、専門家によると、甘い匂い(今回はカラメル)は甘味が引き起こすのと同じ神経反応をしめすからだとのこと。
条件反射による痛覚消失です。
飼い主が特定の行動をとっただけで、ヨダレを垂らす犬のように。
嘘の時計で早めに12時の時計を見せられただけで、お腹が空いたと思うように。
私達は、過去の経験で起きた出来事の繋がりがあれば、匂いだけで同じ反応を起こすことがわかりました。
今回の場合は、甘い匂いを嗅いだだけでエンドルフィンが発生したわけです。
しかし、もし今回の被験者の中にカラメルを食べた事がない人がいれば、この反応は起こりません。
つまり私達は、匂いと記憶の中で繋がる経験から、匂いに対する反応が起きるわけですね。
アロマセラピーも同じ理屈で、殆どの人にリラックスを与える匂いも、もしもその匂いを嗅いだことが無かったり、その匂いでリラックスとは逆の経験をしていれば、人間の身体は同じ反応は起こさないようです。
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